自動車への応用
結果として「HID」系のヘッドライトは、自動車やオートバイの高性能なヘッドライトとして認知されるようにされるようになりました。
特に自動車では「ディスチャージヘッドランプ」という名称が先行して出てきたようですが、自動車用として考えてみると、HIDランプのアークは、ハロゲンランプのフィラメントよりも点光源に近いので配光制御が容易となり、また指向性の高い照明となるのでより遠くまで照らすことができるというメリットがあります。
ただし弱点もあって、それはハロゲンランプより配光が不安定になることで、具体的には配光範囲での明るい所と暗い所にばらつきが生じることです。はらつきは必ず出るというものではありませんが、後付けでHIDランプを装着するときなどは、ハロゲンランプに適合した反射となる純正ライトリフレクターなので、発生しやすくなるようです。
更に、点灯開始後、完全に明るくなるまでやや時間を要するので、ハロゲンランプのようにハイビームとロービームを瞬時に切り替えて使用することができなくなります。従って、基本的にはロービームだけを「HID」にするのが基本となり、ハイビームはハロゲンなのが殆どです。
一部では「HID」を常時点灯にして、反射板の方向を機械的にハイ､ロー切り替えとする仕様もあります。
「HID」は明るいことが長所ですが、光自体が白っぽくなるのもファッション的な部分として人気になっています。一部のマニアの間では、より色温度の高いやや青みを帯びた光にするのも流行っているようです。